貸暗号資産(仮想通貨)、あるいはレンディングという言葉を聞いたことはありますでしょうか?
保有している暗号資産(仮想通貨)を貸し付けることによって、その報酬として金利を得ることを意味します。
ビットコインやイーサリアム、あるいはOMGやビットコインキャッシュのようなアルトコインでも、レンディングをすることは可能です。
この記事では、レンディングの概要やメリット、デメリットをまとめて、その利点を把握できることを目指します。
目次
そもそも、貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングとは?
ビットコインなどの仮想通貨を貸し出す行為は、各社によって名称が異なります。
例えば、コインチェックは貸暗号資産と呼んでいます。
ビットレンディングはレンディングと呼んでいます。
各社とも仕組みは似たようなもので、株式の貸株サービスと似たようなものです。
下記の図をご覧ください。
上記の図を見てください。
このような手順の構図になっています。
1.まず、ユーザーである投資家が暗号資産(仮想通貨)を取引所に貸し出します。
2.取引所が借りた暗号資産(仮想通貨)を、ほかの投資家に貸し出します。
3.借り入れた投資家は、利息を取引所に払います。
4.利息を受けた取引所は、貸し出した投資家に利息を払います。
ほんとうに利子、利息みたいな感覚ですね。
ビットコインやイーサリアムなど、仮想通貨を購入したら保管しておくだけというのはもったいないです。
特に短期売買を考えておらず、「中長期的な資産形成としての投資」を考えている場合は、持っている仮想通貨を運用して利回りを獲得しましょう。
その方法が、貸暗号資産(貸仮想通貨)、レンディングというわけです。
長期的に保有するつもりの場合は、将来のリターンを増やすためにもレンディングして放置しておくのは有効です。
貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングのメリット
どのような仕組かは、貸株のようなものだと理解できたとして、では実際に貸し出すかどうかを判断する手助けをさせてもらいたいと思います。
実際にレンディングをする前に、メリットとデメリットを把握しましょう。
まず、メリットは以下のように羅列できます。
■メリット
1.利率が高い。
2.不正、破綻が起こりにくい。
3.チャートの上下に惑わされる必要がない。
4.難しいスキルや知識がいらない。
5.設定が簡単。
利率が高い
ビットコインやイーサリアムなど、暗号資産(仮想通貨)の貸出利率は高めに設定されています。
それだけ需要があるということでしょう。
銀行預金が0.001%(普通預金金利、メガバンク3校)くらいの利子であることが通常の日本でも、レンディングでは5%くらいの利回りが可能です。
100万円を1年間預け入れて10円、定期預金なら0.002%くらいなので20円です。
それに比べてレンディングは100万円を1年預けると5万円です。
1年間の預け入れで5%得られるなど、高配当株式なみの高さ。
非常に有利な利率設定と考えられます。
不正、破綻が起こりにくい
暗号資産(仮想通貨)の世界では、海外取引所やDeFiにも、高利率をうたう商品があります。
それはそれでいいのですが、持ち逃げや破綻時の対応など不確定要素が多いのも事実です。
完全に自己責任の世界で、何か事件があったら実際には泣き寝入りするしかないでしょう。
国内大手取引所だと金融庁が認可していますし、大手資本がバックなのでそういったリスクは低いです。
チャートの上下に惑わされる必要がない
レンディングは一度預けると、期間内は売却などできない設定が一般的です。
一時の暴騰や暴落に悩まされることなく、落ち着いて利子を受けながら投資を継続できる。
売買のタイミングを考える必要がない、というのもメリットです。
一長一短ではあるのですが、高騰と急落が頻繁に発生する暗号資産(仮想通貨)において、波に乗った売買で利益を稼ぎ続けるのは生き馬の目を抜くがごとしの世界です。
その点、レンディングは長期投資の世界観なので、いわゆるガチホをしながら利子をもらいつつゆっくりと資産を築いていくことになります。
レンディングは長く保有し、あるいは積立購入でレンディング量を増やしていき、1年後に残高が増えているという、初心者でも取り組みやすい方法だと言えます。
4.難しいスキルや知識がいらない。
「高い利回りを得られる=良い報酬が得られる」にもかかわらず、難しいスキルや知識がいらないこともレンディングのメリットです。
例えば、「DeFiでLPして高利回り!」みたいな話をどこかで見聞きしたことがあるかもしれませんが、DeFiは始めるには色々な用意が必要で、前提条件としてある程度のクリプトへの知識が必要です。
リスク度合いを理解する、というのもスキルや知識だと思うのですが、レンディングはそういうのがいらないのが利点です。
ほんとに、クリック数回でレンディングの設定は完了します。
もしDeFiに興味のある方は、DEXの最大手、ユニスワップの使い方を下記にまとめてみましたので参考にしてください。
5.設定が簡単。
設定が簡単なのもメリットです。
上述したDeFiやウォレットを使うような方法は、恐縮ながら初心者の方にはまず対応ができないでしょう。
その点、貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングは非常に設定が簡単です。
コインチェックなどでビットコインを買った後は、そこから数回のクリックで簡単に設定完了です。
ちなみに、暗号資産(仮想通貨)のウォレットを導入して、リスクを取って海外レンディングなどに挑戦したい!みたいな方は以下の記事もご参照ください。
貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングのデメリット
反対に、デメリットはよく下記のようにまとめられます。
■デメリット
1.いつでも貸せるわけではない。
2.基本的には解約できない。
3.同じ通貨でしか利子を得られない。
4.価格変動により損をするリスクがある。
5.預金保険の対象外である。
いつでも貸せるわけではない
貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングはいつでも貸し出しができるわけではありません。
需要と供給で貸せる量、期間が変動します。
急に募集を停止したり、逆にいつの間にか募集を再開していたりします。
取引所側は需要を見極めながら「レンディング枠」を設けていて、それが満たされれば募集を停止します。
逆に、供給が足りなくなってくればレンディング枠を満たすために、募集を再開します。
募集を再開するときはメーリスなどで知らせてくれる取引所もありますので、検討している人はとりあえず口座の開設だけしておきましょう。
基本的には解約できない
レンディングは基本的には解約できません。
これが功を奏すか奏さないかは時の運によりますが、解約する自由がない代わりに金利を得ているという理解が必要です。
価格が高騰しても利益確定はできませんし、暴落中に損切りをすることもできません。
基本的には設定の満期まで取り出せないという認識が必要です。
同じ通貨でしか利息を得られない
貸し出した銘柄と同じコインでしか利息は得られません。
ビットコインを貸し出して、イーサリアムで利子を受け取るなどはできません。
ビットコインを貸し出して、日本円で利子を受け取るということもできません。
利子は常に預け入れた銘柄と同じコインでしか受け取れません。
預け入れたコインが上昇基調にあればいいのですが、下落基調にあると、満期の時に円換算で価値が下がっていることもありますので注意をしてください。
価格変動により損をするリスクがある
暗号資産(仮想通貨)は基本的に右肩上がりで成長しているマーケットです。
米国株投資をやる人は、米国株は有史以来、年平均7%の成長をしてきたという事実をご存じでしょうが、クリプトの世界はそれ以上の速度で成長しています。
しかしなのですが、以下の積立投資の記事でシミュレーションをしているとおり、貸し出したタイミングや銘柄によっては1年、2年と金利を受け取っても円換算するとマイナスになってしまうことはあります。
満期に価値が下がっていたら、値が戻るまでまた貸し出せばいいかなとは思いますが、リスクはリスクですのでご理解の上で貸し出してください。
預金保護の対象外である
もし取引所が破綻したときなどは、レンディングされている暗号資産(仮想通貨)は預金保護の対象外なので保証はされません。
預け入れて金利を得るという意味で銀行定期預金みたいですが、銀行預金のように保護されるわけではありませんので注意してください。
一定期間にわたり資産を預けるわけですが、銀行預金のように保護されるわけではありません。
だからこそ安心して貸し出しできる大手取引所を選ぶべきです。
その点、コインチェックはマネックスグループなので安心ですね。
以上がメリットとデメリットかと思います。
貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングの利率、利回り
それでは、実際にはどれくらいの利率になるのでしょうか。
例えば、コインチェックは扱っている通貨に対して、すべて下記の条件で利子をつけています。
■コインチェックの貸暗号資産利率
14日間 年率 1.0%
30日間 年率 2.0%
90日間 年率 3.0%
180日間 年率 4.0%
365日間 年率 5.0%
高配当とされるたばこ株や公共企業株などでも5%くらいの配当利回りですので、1年預けて5%というのはなかなかの好条件ではないでしょうか?
すべての取り扱いコインに対して同じ条件でこんな高利率を付けているなんて、素晴らしいなと思います。
貸暗号資産(仮想通貨)におススメの取引所
ここからは、おススメの取引所です。
レンディングをする場合、コインチェック、ビットバンク、ビットレンディングの3つを比較すればいいかなと思います。
現在、日本国内ではほかに数社がレンディングを扱っていますが、主に上記の3社で十分カバーできているはずです。
それぞれの利率と特色は以下のようになります。
取引所名 | 利率 | 特色 |
Coincheck(コインチェック) | 1~5% | 国内最大手、17種類のコインに対応 |
bitbank(ビットバンク) | 3% | XYM、LINK、MKR、BOBA、MATICなどの コインチェックが扱っていないコインにも対応 |
Bit Lending(ビットレンディング) | 8% | USDT、USDC、DAIなどのステーブルコインも貸し出せる |
Coincheck(コインチェック)
コインチェックは国内トップクラスの扱い銘柄数(17コイン)を誇り、マネックスグループ100%子会社で安心できる大手取引所です。
暗号資産(仮想通貨)投資をしていく上で、最も安心できる事業者だと思いますので、まだ使っていない方は上記からご確認ください。
bitbank(ビットバンク)
ビットバンクはコインチェックも扱っていない銘柄もあり、なおかつレンディングをしている取引所です。
ビットバンクの一番のメリットとして、全銘柄を取引所で売買できるというものがあります。
以下の記事にも書きましたが、暗号資産(仮想通貨)は販売所で買うよりも取引所で買うほうが取引手数料が低いです。それが全銘柄でできるなんて神のような取引所です。
期間限定ですが、新規口座開設キャンペーンもやっていますのでご確認ください。
Bit Lending(ビットレンディング)
ビットレンディングは国内唯一の暗号資産(仮想通貨)専門誌、『月刊暗号資産』を発行する企業で、取引所ではなくレンディングのサービスのみを行っています。
取引所ではないので、あくまでほかの取引所で購入したビットコインなどをビットレンディングに預けてからレンディングを開始する形になります。
日本円を預け入れてビットコインなどに買えることはこちらではできませんので、その点だけ理解しておきましょう。
しかし、レンディングにだけ特化していることもあってか、利率は国内最高の高さです。
気になる方はぜひ下記のメディアとともにビットレンディングを使ってみてください。
ビットレンディング[BitLending] – produced by 月刊暗号資産[J-CAM]
月刊暗号資産online (digitalassets-online.jp)
まとめ
貸暗号資産(仮想通貨)、レンディングについて理解を深めることができましたでしょうか?
保有している暗号資産(仮想通貨)を貸し付けることによって、その報酬として金利を得ることを意味します。
ビットコインやイーサリアム、あるいはOMGやビットコインキャッシュのようなアルトコインでも、レンディングをすることができます。
利率が高いのでメリットが多いように見えますが、デメリットも多いのでしっかり検討したうえで投資実行するか否か判断してください。
そして、おススメの取引所は3つ、コインチェック、ビットバンク、ビットレンディングの3つを比較すればいいかなと思います。
現在、日本国内ではほかに数社がレンディングを扱っていますが、主に上記の3社で十分カバーできていますので、ぜひ公式サイトから情報を確認してみください。
最後に、暗号資産(仮想通貨)を長期保有して安定運用を目指される方は、下記の記事もご参照ください。
閲覧ありがとうございました。