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【DeFi】仮想通貨の流動性提供時に発生するインパーマネントロスとは?初めてでもなんとなくわかる超々簡単解説【DEX/LP】

2022年6月20日

Uniswap(ユニスワップ)やPancakeswap(パンケーキスワップ)に代表されるような、仮想通貨の分散型取引所(DEX: Decentralized Exchange)が注目を集めています。

DEXが脚光を浴びている理由の一つに、高い利回りとなる流動性マイニングがあげられます。
その高い利回りが最大のメリットといえますが、当然ながらデメリットもあります。

GOXやスキャムなどのデメリットは分かりやすいですが、流動性マイニングならではの分かりづらいデメリットがインパーマネントロスです。

この記事では、インパーマネントロスの特徴を分かりやすく説明し、具体的にどのくらいの許容度をもって流動性を提供すべきか判断できるようになることを目指します。

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目次

インパーマネントロスとはいったいなに?

インパーマネントロスとはなんでしょうか?

Impermanent Loss、直訳では非永続的なあるいは非永久的な損失、となります。

流動性マイニングにおいては、一時的損失と訳するのが適切でしょう。

なぜならば、いずれ仮想通貨の価値が元に戻ればロスが解消されるからです。

いったいどういうことなのか?

インパーマネントロスとは、一言で述べるならば「DEXに等価で預けたペアの仮想通貨の価格変動による損失」です。

DEXに仮想通貨を預ける流動性マイニングは、いまのところ高利率ですが、ペアで預けなければならないことは以下の記事で述べました。

流動性を提供するというのは一対となる同等の価値の仮想通貨をDEXに預けることを指し、現在のDEXのほとんどはAMM(自動マーケットメイカー)という機能で常にこのペアの通貨が同じ価格になるように刻々とバランス調整がなされます。

https://katoh.blog/uniswap/
Uniswap/ユニスワップとは?使い方を徹底図解【初心者向け】

いったいなぜそういう仕組みになっているのか…?

これにはDEXの基本原理を把握する必要がありますが、特に市場理論に興味のある方以外には需要がないかなと思っています。
一言で述べるなら、下記の条件を満たすことで需要と供給を保つようにルール付けされています。

「DEXのプールの中のETH量 × プール内のトークン量 = 定数」

そして、これを守ることで、DEXが市場として自律的、かつ自動化された状態で利用者が扱えるようになっています。

それと、DEXは前提としてイーサリアムが基本的な基軸通貨となっていますので、日本から取引する場合はまずは国内取引所でイーサリアムを購入してください。

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では、具体的なインパーマネントロスの仕組みは?(できるだけ簡単に)

上記で、ペアになる仮想通貨は等価である必要があると述べました。

しかし、仮想通貨はステーブルコインをのぞいて(ステーブルコインでも、ですが…)、年中無休で常に価格が変動します。

つまり、等価であるタイミングなんて最初に預け入れたタイミングくらいしかないわけです。

ここからは、イメージしやすい超簡単な例と、実際の損失額について記載します。

まずは超簡単な例から。

1.1BTC=100USDと1ETH=100USDの時に、流動性マイニングをしたとします。
  この時、「1BTC:1ETH=100USD:100USD」となり合計は200USDです。

2.ETHが急騰し2倍になったとします。(1ETH=200USD)
  この時、瞬間的に「1BTC:1ETH=100USD:200USD」となり合計は300USDです。

3.提供しているペアの等価性が崩れたので、DEXのAMMが等価になるように調整します。
  具体的には価値の上がったETHを売却して、BTCを買いまして等価になるようバランスします。
  この時、
1ETH=200USDですと、「1.5BTC:0.75ETH=100USD:200USD」で合計は300USDとなります。

4.上記は極端な例で、実際には
瞬間的に2倍になることはない、というのが重要な点です。
  つまり、1ETH=100USDから200USDに上がるには、通常は数週間から数か月がかかるのが通常かと思いますが、思い出していただきたいのはDEXのAMMは常にペアが等価になるように自動的に調整する、という点です。


5.つまり、値上がりする放っておけば2倍になるETHを徐々に売りながら、まったく値段が上がらないBTCを買い増し続けて等価にする。
  ということがリアルタイムで行われることになります。

  その結果として、ETHが2倍になっても、それに見合ったポジションの合計価格にはなりません。

これがインパーマネントロスの理論です。
しかし思い出してほしいのは、1BTC=100USDと1ETH=100USDの等価に戻れば、また同じように1BTC/1ETHが預け入れられている状態に戻ります。

だから、インパーマネントロス(一時的な損失)と呼ぶのでしょう。

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インパーマネントロスの具体的な損失予想

理屈は分かったとして、具体的にはどれくらいの価格変動があると、どれくらいの損失が発生してしまうのか?

ここは他力本願ですが、Binance Academyが目安を立てているのでそれを参考にしましょう。

変動損失の説明 | Binance Academy

目安としては以下のようになることが示されています。
個人的には、仮想通貨に投資するだけなら、インパーマネントロスの仕組みはこの記事でザクッと読んだあとは忘れて、下記の数字感だけ把握しておけばいいかなと思います。

  • 1.25倍の価格変動 = 0.6%の損失
  • 1.50倍の価格変動 = 2.0%の損失
  • 1.75倍の価格変動 = 3.8%の損失
  • 2倍の価格変動 = 5.7%の損失
  • 3倍の価格変動 = 13.4%の損失
  • 4倍の価格変動 = 20.0%の損失
  • 5倍の価格変動 = 25.5%の損失

これを表にすると以下のようになります。

インパーマネントロスの実際の損失可能性, Binance Academy.

気を付けることは、上昇でも下落でも、変動が起こればインパーマネントロスは発生するという点ですね。

ペアの片方をUSDTやUSDCのようなステーブルコインにしても、仮想通貨は概してボラティリティが高いものですので、頭の片隅に置いておかなければなりません。

もう一点気を付けることは、上記の目安は流動性マイニングの手数料を含んでいません。
つまり、急騰もしくは暴落の場合はインパーマネントロスが発生しますが、値動きが落ち着いている期間が長ければ長いほど、最終的に5倍の価格差でも25.5%ですから、それ以上の利率があれば利子勝ちすることになります。

インパーマネントロスのことも考慮して、DeFiにおいてはUSDTやUSDCのようなステーブルコインが流動性マイニングに用いられることが多いためにより重宝されるようになりました。

こういったステーブルコインはまだ国内取引所には上場されていませんので、入手する場合はグローバルに強い海外取引所で入手する必要があります。近頃はBybitがキャンペーンを盛んに行っていてお得ですので、ぜひ使ってください。

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そもそも、DEXについて勉強しているけど実はメタマスクとかまだ導入してない、という方は以下も参考にしてください。

https://katoh.blog/metamask/
MetaMask/メタマスクとは?使い方を徹底図解【初心者向け】

流動性マイニングの利率確認

ユニスワップに流動性を提供することで得られる利率を確認するにはいくつかのサイトがありますが、自分は下記のMetacryptのUniswap V3 Calculatorが一番操作性が良いいので使っています。

https://www.metacrypt.org/tools/uniswap-v3-calculator-simulator/

例えば、上記で提供したWETH/USDCの利率を確認するには、以下のようにペアを選択します。
そうすると日利、月利、年利で現状の想定利回りが算出されます。

ユニスワップ・流動性マイニングの報酬利率

ここで気を付けていただきたいのは、選択する通貨のペアはもちろん、預ける金額や選択する手数料でも利率が変動することです。

WETH/USDCなど、イーサリアムとステーブルコインなどの巨大なプールが存在するペアは預ける金額によって利率が変わることはあまりありませんが、需要の乏しいペアはかなりの変動があります。

また、手数料によっても変動するのですが、ここはとりあえずはデフォルトで選択される一番数値が高い=最多数が選んでいるものをベースに考えてください。需要と供給でバランスが変わりますが、まずはデフォルトをベースに利率を想定しておけばOKです。

表示されている利率はAPY(複利の年利)ではなく、APR(単利)です。
つまり複利ではありませんので、報酬をどんどん追加投入していけばもっと高い利回りも見込めます。
とはいえ流動性の追加にも報酬の刈り取りにもイーサリアムのガス代がかかるので、皮算用のし過ぎにはお気を付けください。

何よりも大事な点としては、表示されている利回りは瞬間的な利回りです。
仮想通貨の市況やペアによっては需要と供給が大きく波打ち、場合によっては利回りはかなりの増減を経験することになります。
そこそこの規模の金額を入れるならば毎日見てもいいと思いますし、マイナー通過では”ねじれ”とも思えるようなおいしい利率になることもありますので良い機会になる可能性も秘めています。

これだけの利率が本当に得られるか…というのは保証できないのですが、インパーマネントロスを考慮しつつ、投資判断をしてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

インパーマネントロスを丁寧に説明しているサイトを見ると、難しい数式がごちゃごちゃと立ち並んでいたりするかもしれません。
はっきりいって、論理を知りたい人でなく、ただの個人の投資家にはそんなことどうでもいいと思います。
概要としてはこの記事に書いた通りで、目安としてはBinanceが出している通りなので、それを頭の片隅においておけばOKです

インパーマネントロスまで把握したうえでDeFiをやっていれば、胸を張ってDeFiユーザーと言えます。
個人的に、DeFiはもっと主流になると思いますし、流動性マイニングの報酬も非常に厚遇されているので、今のうちからどんどん触ってリテラシーを高めていけばいいことありそうですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。
もしまだ国内取引所しか解説していないようなら、USDTやUSDCを用意するためにもBybitの口座開設をぜひ!

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